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思春期と発達障害 つまずきのきっかけ  注意欠如・多動性障害(ADHD)編

発達障害

 近年、一般の方も発達障害という疾患について耳に触れる機会が多くなっています。そのため幼少~学童時に受診して診断される方も増えています。その一方で、幼少期や学童期は家庭生活や学校生活では大きな問題なく過ごされている方が思春期に入る頃から部活動、課外活動での共同作業などで様々な問題が発生して生きづらさを感じてメンタル不調を生じるケースもみられます。今回は、学童期までは問題なく日常を生活過ごせた方が思春期に入り人間関係などでつまづき、生きづらさを感じやすくなる経緯を解説をしてきます。

 発達障害の代表的なものには注意欠陥・多動性障害(以下、ADHD)と自閉症スペクトラム症(ASD)があります。今回はADHDを取り巻く思春期前後の変化に焦点を当てて解説していきます。

 ADHDとはどんな疾患なのでしょうか。
・注意欠如・多動性障害(ADHD)の3つの特徴

  •  意が散漫(不注意)
  •  じっとしていられない(多動)
  •  思ったら実行にうつしてしまう、手が出やすい(衝動的

 学童期では不注意が多くても通信簿に”忘れ物が多いうっかりやさん”と記載されることはあっても日常生活で大きな支障を感じずに過ごす方も多いです。対人関係においては相手と共同して何かをすることは多くなく、また先生の指導もあるので大きな摩擦を生じることは多くはありません。ところが中学校、高校など思春期になると先生が管理する割合は次第に減っていきます。学生が自主的に行動を行うことが増えていき学生同士で共同作業で物事を進める機会が増えていきます。不注意や約束の忘れなどは他の学生にも迷惑をかけてしまい人間関係につまづきがちになります。

 多動性はじっと椅子につくことができないといった落ち着きのなさが主な症状です。学童期までは先生から注意されても周囲からは笑ってすまされることも多いかもしれません。ところが思春期になっても多動性が目立つと”周囲から浮きがち”になってしまうでしょう。衝動性があっても学童期までは”わんぱくだけど元気で本当はいい子”といった見方をされることも多いかと思います。

 ADHDの症状の中でも多動性と衝動性は成長にしたがい脳の機能が次第に追いついていくため改善することも多いのです。一方、成長しても改善が乏しいと体が大きくなり体力が増すことで周囲も制御が困難となり、乱暴で危険な子、付き合ってはいけない子と判断されそれまで親しくしていた友人が去ってしまうこともありえます。そうなれば孤立感を深めてしまいその寂しさから不良の先輩にさそわれてグレてしまったり、最近問題となっている良くない集団に誘われて様々な犯罪に巻き込まれるリスクも高くなるかもしれません。また逆に孤立が原因で”引きこもってしまい、家から全く出ずに抑うつ状態”になってしまう方もいます。

                                 

 一方で、ADHDの特徴はいい面もたくさんあります。衝動性の特徴には勢いや思い切りの良さがあり、フットワークの良さにつながります。新しいことにチャレンジすることが得意で、単身海外に飛び出して成功する方もたくさんいます。何度もチャレンジをして失敗を繰り返してもそれを乗り切れる方もいるでしょう。

 みんなが慎重で新しいことをしなくなると人間社会はこれほどまでには発展しなかったかもしれません。注意欠如型の方は自分の特性に気が付いてミスをしにくい工夫をしたり、ミスを防止する仕組みなどの発想が浮かびやすいかもしれません。自身の悪い部分ばかりに着目するのではなくいいところ探しをしていけると自己肯定感が高まり生活は格段にしやすくなるのではないでしょうか。

 近年では安全なADHDの内服薬も開発されており以前よりも治療の環境は格段に良くなっています。注意欠如に効果が期待できる内服薬もあります。衝動性対する治療は精神安定薬などや内服が不安であれば漢方薬で改善することも可能です。治療がうまくいくと、”頭がすっきりした、前より忘れ物やミスが減った”といった変化もみられます。衝動性が減ることで、過度な”緊張が減り疲労感が減る”といった変化も期待できます。

 症状が深刻ではなく内服治療までは希望しない場合もあるかと思います。心理カウンセリングでは自己肯定感を高め前向きな考えを維持することが期待できます。認知行動療法は根本的な解決に向けた効果的な治療方法です。症状が深刻でなく、生活の支障が大きくなければ”ADHDの特徴をかけがえのない個性として伸ばしていく”考えもあるかと思います。一番大事なの”自己肯定感を高めて生きづらさを軽減する”ことでしょう。

 ご家族などごく身近な方はわざと問題を起こしているのではないことを認識して、良くない部分を責めるばかりではなく、明るく元気な部分は褒めるといった対応もポイントとなります。ADHDの方は同時に複数の作業を行う”マルチタスクは苦手”で、個人のスキルを要する”芸術などクリエイティブな作業や仕事は集中しやすい”です。アイデアマンとして重宝することも多いのです。チームで共同作業をする際にうまく役割分担ができると本人にとってもチームにとって良い作用が生じ、集団での生活はより円滑”になるのではないでしょうか。

                                   

 今回のブログをみていただいて思春期をむかえる生徒さんやご家族の方の不安、疑問が少しでも解消されるとうれしいです。

 当院では、医師による診察の上で、初回の心理カウンセリングは料金を頂いておりません。カウンセリングを”生きづらさの改善のきっかけ”にしていただいても良いかと思います。経験豊富な心理士による認知行動療法も行っております。生徒さん、ご家族の思いに寄り添い個別の治療を提供させていただきますので深く悩まずに気軽にご相談下さい。

 

下記もご参照ください

※注意欠如・多動性障害(ADHD)
https://www.warabi-mental.com/adhd/

※みんなの体験談|20代前半/男性/ADHD(注意欠如多動症)(塩野義製薬HPより)
https://wellness.shionogi.co.jp/psychosis-neurosis/developmental-disability/interview/no_3.html